アルコールの遺伝子検査で分かること
アルコールの遺伝子検査で分かることは、当然アルコールに「強い」「弱い」ですが、具体的には「2つの体質」を知ることができます。
1つは、アルコール自体の分解速度。
もう1つは、アセトアルデヒドの分解速度。
アセトアルデヒドとは、アルコールを分解する際に生じる人体にとって有害な物質です。
体内の細胞やDNAを損傷することがあり、ガンや糖尿病など生活習慣病のリスクを高める可能性が指摘されています。
当然、この2つは分解が早いほうが良いです。
では、分解が遅い、もしくは分解できない場合に、どういうデメリットがあるのか?
それぞれのデメリットは次の通りです。
■ アルコールの分解
アルコールが体内に長く留まるため酔いやすく、眠くなりやすい。
酔った状態が長く続くため、アルコール依存症になりやすい可能性がある。
■ アセトアルデヒドの分解
アセトアルデヒドが体内に長く留まるため不快感を感じたり、二日酔いの原因にもなります。
また、肝臓に負担が増え、アルコール性肝疾患のリスクが高まったり、細胞やDNAを損傷させることがあるので、ガンや糖尿病などの生活習慣病のリスクも高める可能性があります。
分解速度が早いとどうなる?
先ほどアルコールとアセトアルデヒドの分解速度が遅いデメリットを紹介しましたが、分解速度が早いとその逆の体質になります。
まず、アルコールの分解速度が早ければ、酔いづらく酔っても早く覚めます。また、酔いの状態が長続きしないため、アルコール依存症にはなりづらい傾向にあります。
ただし、飲める体質であるが故に飲酒量が増え、依存症になるケースもあります。
また、アセトアルデヒドの分解速度が早いと吐き気やムカムカ感の不快感がなく、二日酔いにもなりづらいです。
有害物質が体内に長く留まることはないため、分解速度が遅い人と比べてガンや糖尿病など様々な疾病のリスクが低くなります。
検査方法と流れ
気になる検査は、びっくりする程簡単です。
郵便ポストに投函することが1番手間だと言っても過言ではないです。
具体的には次の流れになります。
ご覧の通り難しい手間や手続きはありません。
遺伝子検査の有効性と科学的エビデンス
この項目では「遺伝子検査」の有効性と科学的エビデンスについて解説します。
結論から先にお伝えすると遺伝子検査は科学的エビデンスのある検査です。
遺伝子検査は、その名の通り「個人の遺伝子情報」を調べることができる技術です。
人類はもともと、お酒を飲めるタイプの遺伝子しか存在しなかったのですが、遺伝子の突然変異で飲めない下戸遺伝子が生まれました。
この検査では、もともの人類の持つ「お酒を飲める遺伝子」か、突然変異の「下戸遺伝子」かを調べます。
具体的には、体内にある「ADH1B」と「ALDH2」というタンパク質の特徴を調べます。
「ADH1B」は、アルコール(エタノール)を分解するために必要な酵素と呼ばれるタンパク質です。
一方、「ALDH2」は、アルコールの分解でできたアセトアルデヒドを無害な物質に変えるために必要な酵素と呼ばれるタンパク質です。
つまり、お酒に対して分解能力の高い酵素を持っている遺伝子かどうかを調べます。
そのため、遺伝子検査は科学的根拠に基づいた検査と言えます。
ただし、一定の有効性はあるものの、過信は禁物です。
あくまでも個人の遺伝的要素を調べるもので、アルコールに対する許容度は遺伝以外の要因にも影響されるため、指針の1つとして捉えておくのが良いでしょう。
本人の予想と結果は?
まとめ
最後に今回の記事をまとめます。
アルコールの遺伝子検査は、「アルコールの分解速度」と「アセトアルデヒドの分解速度」が分かる科学的根拠に基づいたしっかりとした検査です。
アルコールの分解速度が早ければ、酔いづらく、酔っても冷めやすい体質です。
また、アセトアルデヒドの分解速度が早ければ、飲酒による不快感が少なく、アルコールを起因とした疾病リスクも分解速度が遅い人と比べると低くなります。
検査方法を綿棒で口内粘膜を採取して郵送するという手間がかからず、手軽で簡単です。
アルコールに強いと知って安心してお酒を飲めるなら、コスパの良い検査です。
また、アルコールに弱いと分かれば、お酒の席で断る正当な理由になります。
いずれにしてもお酒と上手に付き合うのに、自分の体質を知ることは、とても有意義ではないでしょうか?
では、また!