節約と時短が大好き、ファイナンシャルプランナーの資格を持つズッカです。
最近電気代の金額を見て
「え?何でこんなに高いの?」
「金額間違えてない?」
と、感じていませんか?
安心してください。正常な反応です。
電気料金は、過去5年で最高水準に達しているので、そう感じてしまうのも無理はありません。
特にここ最近ずっと値上がりが続いていて8月も含めると12ヶ月連続になります。
日経新聞によると東京電力の電気料金を1年前と比較した場合、約4割高くなっているようです。
あまりの値上がりに先日観た某ニュース番組では「電気が盗まれているんじゃないか?」と心配する利用者の声を紹介していました。
笑えるようで笑えない話ですよね(笑)。
さらに、あらゆる物の値段も上がっているので、事態は深刻ですよね。
では、何故電気代はこんなにも高くなっているのか?
今回は、電気代が高くなった原因と今後の見通しと対策までを紹介していきます。
>>>(関連記事)電気代の節約はコンセント抜くより電力会社の見直しが楽ちん【光熱費節約】
電気代が高くなった原因は?
早速結論からお伝えすると、高くなった原因は・・・
燃料費調整単価
および
再生可能エネルギー発電促進賦課金
によるものです。
もちろん全てとは言いませんが、ほとんどの場合この2つの価格上昇が原因と考えてよいでしょう。
では、この「燃料費調整単価」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とは何か?
この2つは、電気料金を構成する項目です。
一般的な電気料金は、各社共通で以下のように構成されています。
基本料金
(最低料金)
+
電力量料金
+
燃料費調整単価
+
再生可能エネルギー発電促進賦課金
電気料金の仕組みをご理解頂くために1つずつ見ていきましょう。
基本料金
電気の使用の有無に関わらず必ず掛かってしまう固定の費用です。
一般的に契約アンペア数が大きいほど高くなります。
大手電力会社の中で関西電力、四国電力、中国電力、沖縄電力のプランの1部では、基本料金という名称ではなく、最低料金という名称になっています。
また、新電力と呼ばれる電力自由化以降にできた新規参入の会社では基本料金が全く無いところもあります。
なお、東京電力の一般家庭の基本料金は以下のようになっています。
契約アンペア | 料金 |
10A | 286円 |
15A | 429円 |
20A | 572円 |
30A | 858円 |
40A | 1144円 |
50A | 1430円 |
60A | 1716円 |
電力量料金
電気の使用量に応じて掛かる費用です。
通常1kWhあたりの単価が設定されています。
1kWhあたりの単価とは、1,000Wの電力を1時間使用した時の料金です。
一般的には3段階になっていることが多いです。
国内最大手の東京電力と国内2位の関西電力の3段階の料金は以下の通りです。
東京電力 | 関西電力 | |
第1段階 (〜120kWh) | 19円88銭 | 20円31銭 |
第2段階 (121kWh〜300kWh) | 26円48銭 | 25円71銭 |
第3段階 (301kWh〜) | 30円57銭 | 28円70銭 |
単価だけだとイメージしづらいと思うので、↑の東京電力の料金を基に実際に計算したいと思います。
(例)1ヶ月の使用量が500kWh
【第1段階】
19円88銭×120kWh=2,386円
※小数点第一位は四捨五入
26円48銭×(300-120)kWh=4,766円
※小数点第一位は四捨五入
30円57銭×(500-300)kWh=6,114円
【合計】
(第1段階)+(第2段階)+(第3段階)=13,266円
燃料費調整単価
その名の通り発電するために必要な燃料の費用です。
基準の燃料費価格があり、それより高い時は電気代にプラスされ、安い時は電気代からマイナスされます。
航空会社による燃料サーチャージをイメージして頂くと分かりやすいかもしれません。
使用量(発電量)に対しての費用になるため、電気料金には【使用量×1kWhあたりの単価】として上乗せされます。
例えば、5月の単価は基準価格と比べ+2.74円/kWhですが、1ヶ月の電力量が500kWhだった場合。
500×2.74=1,370なので1,370円が電気代にプラスされます。
一般的には発電を行う大手電力会社(東京電力や関西電力など)とその他の電気会社(電気を販売する企業)の価格は一緒です。
つまり、東京電力エリア内であれば、東京電力の価格と一緒ということです。
その他の特徴は以下の通りです。
- 毎月変動する
- 電気の使用量に比例して高くなる
- 燃料の価格が電気料金に反映されるのは3〜5ヶ月後
- 上限価格あり
- 燃料価格は原油・天然ガス・石炭価格・為替が影響
東京電力における来月および過去の燃料費調整単価は以下の通りです。
2022年 | 5月 | 2.74円/kWh |
4月 | 2.27円/kWh | |
3月 | 1.83円/kWh | |
2月 | 0.74円/kWh | |
1月 | -0.53円/kWh | |
2021年 | 12月 | -1.09円/kWh |
11月 | -1.53円/kWh | |
10月 | -2.04円/kWh |
ご覧の通り今年に入ってから急激に上昇しています。
原因は、ロシアのウクライナ侵攻による化石燃料の高騰によるところが大きいです。
冒頭お伝えした通り電気代が高くなった大きな理由の1つになっています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
一言で表現すると「再生可能エネルギーによる発電費用をみんなでまかなおう」という費用です。
再生可能エネルギーによる発電(以下、最エネ発電)とは、化石燃料を使わず温室効果ガスを出さいない、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスなどの自然エネルギーを利用した発電です。
ご存知の通り世界は今、地球温暖化対策に本気で取り組み始めています。
その対策の1つとして注目されているのが再エネ発電です。
しかし、現在日本では再エネ発電によって生み出された電気を電力会社が買い取ると赤字になってしまいます。
その赤字分の補填を電気の使用者全員で負担するというワケです。
燃料費調整単価同様、電気料金には【使用量×1kWhあたりの単価】として上乗せされます。
例えば、5月の単価は3.45円/kWhですが、1ヶ月の電力量が500kWhだった場合。
3.45円×500=1,725なので1,725円が電気代にプラスされます。
こちらは電力会社によるものではなく、国が年度ごとに全国一律で決めています。
その他の特徴は以下の通りです。
- 電気の使用量に比例して高くなる
- 毎年経済産業大臣が単価を決めている
制度が導入されて以来単価の推移は以下の通りです。
2022年度 | 2022年5月分〜 2013年4月分 | 3.45円/kWh |
2021年度 | 2021年5月分〜 2013年4月分 | 3.36円/kWh |
2020年度 | 2020年5月分〜 2013年4月分 | 2.98円/kWh |
2019年度 | 2019年5月分〜 2013年4月分 | 2.95円/kWh |
2018年度 | 2018年5月分〜 2013年4月分 | 2.90円/kWh |
2017年度 | 2017年5月分〜 2013年4月分 | 2.64円/kWh |
2016年度 | 2016年5月分〜 2013年4月分 | 2.25円/kWh |
2015年度 | 2015年5月分〜 2013年4月分 | 1.58円/kWh |
2014年度 | 2014年5月分〜 2013年4月分 | 0.75円/kWh |
2013年度 | 2013年4月分〜 2014年4月分 | 0.35円/kWh |
2012年度 | 2012年8月分〜 2013年3月分 | 0.22円/kWh |
ご覧頂いた通りキレイな右肩上がりのグラフを描けそうです。
政府の試算では、このまま2030年まで上がり続ける予定です。
ちなみに先程の燃料費調整単価と再生可能エネルギー発電促進賦課金の2つだけで、電力使用量を400kWh〜600kWhとした場合上乗せされる料金は2,476円〜3,714円です。
使用量に応じて上乗せされるので当然、使えば使うほど上乗せされます。
今後の見通しは?
もう勘の良い読者の皆さんならお察しだと思いますが、今後も電気料金はほぼ間違いなく高くなっていくでしょう。
原因は、これまでと同様「燃料費調整単価」と「再エネ賦課金」が高くなっていくからです。
燃料調整単価に影響を及ぼすのは、石油や天然ガス、石炭などの化石燃料の価格と為替です。
高止まりしているガソリン価格を見てください。
すぐに下がりそうなイメージは持てますか?
また、20年ぶりの円安と言われる今。
すぐに円高方向に戻るイメージは持てますか?
現在の制度では上限があるためこれ以上大幅な値上げはないかもしれせんが、各電力燃料価格がすぐに下がっていくというのは考えづらいです。2022年9月現在、各電力会社で上限撤廃の動きが見られます。
また、制度の仕組み上燃料価格が電気料金に反映されるのは3〜5ヶ月後です。
仮に今すぐ原油価格や天然ガスの燃料価格が下がってもすぐには電気料金には反映されません。
燃料価格はロシアによるウクライナ侵攻による影響が大きいので何年にも渡るほど長期間ではないかもしれませんが、短期間で終わるものでもないと思います。
一方、再生エネルギー発電促進賦課金は政府の試算によると2030年までずっと上がっていく予定です。
これはほぼ不可避です。
政府の試算ではありませんが、なかには2030年以降も上昇していくという予想さえあります。
対策は?
電気代の値上げに対してとれる対策は2つしかありません。
「電気の使用量を減らすこと」
「電気料金の安い電力会社に変える」
ことです。
電気の使用量を減らす(節電)
電気の使用量を減らす(節電)って聞くと、「こまめにスイッチを消したり、コンセントを抜く」ことを想像する方も多いと思いますが、効果が見えづらい上に継続するのは大変ですよね。
僕が実践する節電方法は継続が簡単です。
なぜなら、勝手に継続できてしまうからです。
別の言い方をすると、1度の手間でずっと節電できる方法です。
その上、節電効果も高いです。
それは節電効果の高い家電を選んでいるからです。
資源エネルギー庁の民生部門エネルギー消費実態調査および機器の使用に関する補足調査(平成21年度)によると消費電力量の多い家電の上位は以下の通りです。
(2位) 照明器具
(3位) テレビ
(4位) エアコン
(5位) 電気便座
それを踏まえて僕が特にオススメする節電方法は以下の3つです。
- 冷蔵庫の使い方を改善
- 照明のLED化
- エアコンの効率をUP
- 壁から離して設置。上に物は置かない
- 温かい料理は冷ましてから入れる
- 室温や季節に合わせて設定温度を調整
>>>(関連記事)年間3万円以上の節約?電気代節約術5選【光熱費節約】
- シーリングファンや扇風機との併用
- 室外機対策
- 日除けをする
- 遮熱・遮光カーテンを閉める
- 掃除する
- 省エネタイプに買い替える
>>>(関連記事)【電気代節約】エアコンの上手な使い方まとめ【光熱費節約】
電気料金の安い電力会社に変える
電気料金を下げるには安い電力会社にすることも大切です。
せっかく電気の使用量を減らしても高い単価で契約していたら効果が半減です。
まるで、車の運転で燃費の良い走行を心掛けているのに、価格の高いガソリンスタンドで給油しているようなものです。
では、どこの会社が良いのか?
700社以上ある電力会社の中から一つずつ調べて安いところを選び出すのは至難の技ですよね。
そんな時は、電力会社の比較サイトを使うと簡単です。
国内最大の人気を誇る「エネチェンジ」は、最も代表的な比較サイトで沢山の会社やプランから比較検討ができます。
現在電気料金の高騰により新規の受付停止している会社が多くありますが、それもフィルタリングされています。
ですから、いちいち各会社のホームページまでいって調べなくても済むので楽ちんです。
ちなみに、僕はエネチェンジでも紹介されている「オクトパスエナジー」という会社と契約しています。
オクトパス?
タコ?って思いますよね?
そうなんです。タコなんです(笑)。
一見怪しそうって思いますよね?
僕も初めて聞いた時、そう思いました。
ただ、怪しそうな社名とは裏腹にAIなどのテクノロジーを武器にエネルギー市場を変革する英国発祥のエネルギー会社です。
なぜオクトパスエナジーに決めたのか?
理由は3つあります。
- 電気料金が安い
- 運営基盤がしっかりしている
- 地球環境に優しい発電
■ 電気料金が安い
電気料金を下げることを目的としているので、これは大前提です。
どのくらいの金額なのか?
東京電力との料金比較すると以下のようになります。
(※東京電力管内40Aで比較)
会社名 (プラン名) | 東京電力 (従量電灯B) | オクトパスエナジー (グリーンオクトパス) |
基本料金 (31日間) | 1,144円 | 1,166円 |
第1段階 (〜120kWh) | 19円88銭 | 19円68銭 |
第2段階 (121kWh〜300kWh) | 26円48銭 | 24円35銭 |
第3段階 (301kWh〜) | 30円57銭 | 26円50銭 |
基本料金はオクトパスエナジーが若干高く、従量単価は全て東京電力より安いです。
使用量が多くなるほど、その金額差が開いています。
具体的な金額で見てみたいと思います。
電気の使用量は400kWh・500kWh・600kWhの3種類で東京電力との料金差は以下のようになりました。
400kWh | 1,633円 |
500kWh | 2,040円 |
600kWh | 2,447円 |
これが毎月なので結構大きいですよね。
(※2022年10月追記)現在燃料費調整単価が高騰しています。東京電力にはは燃料費調整単価の上限がありますが、オクトパスエナジーを含む新電力会社には上限がありません。現在東京電力は上限に達しています。プランによっては東京電力より電気料金が高くなります。
■ 経営基盤がしっかりしている
料金が安くてもその経営基盤が弱かったら、事業撤退がありえますよね。
今回のウクライナ侵攻による燃料価格の上昇などを受け、新電力会社の撤退が相次いでいます。
僕もその影響をしっかり受けてしまいました。
僕が契約していたのは「エルピオでんき」という千葉県市川市でプロパンガス事業を営む会社でしたが、4月末で電力事業から撤退しました。
そのため他社への乗り換えを余儀なくされました。
幸い新しい電力会社にスムーズに切り替えることができましたが、法人の中にはどことも契約ができない「電力難民」が多数存在します。
なんとその数は4,000を超えています。
もし、電力難民になっていたかもしれないと思うとゾッとします。
オクトパスエナジーは、都市ガス国内最大手の「東京ガス」との合弁会社です。
ここでは合弁会社の詳しい説明は省きますが、共同出資して一緒に作った会社です。
さらに、今飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているイーロン・マスク氏率いる「テスラ」とも提携しています。
いかに世界が注目しているかが分かります。
■ 地球環境に優しい発電
オクトパスエナジーのプラン「グリーンオクトパスプラン」は、CO2排出量実質ゼロを実現する地球に優しい電気料金プランです。
いち個人で環境に対してできることは微力かもしれませんが、無力ではないと思っています。
小さなことでもできることをコツコツやっていこうと思い、企業理念に共感しました。
お住まいの地域によっては、もっと料金が安いところがあるかもしれませんし、オクトパスが供給していないエリアもあるので、あくまでも一意見として参考にして頂き、ご自身の目で色々確かめてみてください。
(2022年10月追記)現在燃料費調整単価が高騰しています。大手電力会社には燃料費調整単価の上限がありますが、オクトパスエナジーを含む新電力会社は上限がないためプランによっては大手電力会社より電気料金が高くなります。
もし、それでもオクトパスエナジーに魅力を感じ、ご契約されるようでしたら「こちら」から登録頂くと、お互いに電気代が5,000円割引になりますので泣いて喜びます(笑)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後にもう一度簡単にまとめたいと思います。
電気代が高くなった原因は、「燃料費調整単価」および「再生可能エネルギー発電促進賦課金」によるものです。
燃料費調整単価とは、発電するために必要な燃料の費用です。
一般的には、発電を行う大手電力会社(東京電力や関西電力など)とその他の電気会社(電気を販売する企業)の価格は一緒です。
その他の特徴としては以下の通りです。
- 毎月変動する
- 電気の使用量に比例して高くなる
- 燃料の価格が電気料金に反映されるのは3〜5ヶ月後
- 上限価格あり
- 燃料価格は原油・天然ガス・石炭価格・為替が影響
金額が上昇した理由は、ロシアのウクライナ侵攻による化石燃料の高騰によるところが大きいです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、「再生可能エネルギーによる発電費用をみんなでまかなおう」という費用です。
電力会社が再エネ由来の電気を買い取る際に生じる赤字の補填を電気の使用者全員で負担するという仕組みです。
国が年度ごとに全国一律で決めています。
その他の特徴は以下の通りです。
- 電気の使用量に比例して高くなる
- 毎年経済産業大臣が単価を決めている
政府の試算では、このまま2030年まで上がり続ける予定です。
今後の見通しは、ほぼ間違いなく電気料金は高くなっていくでしょう。
原因は、これまでと同様「燃料費調整単価」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が高くなっていくからです。
とれる対策は2つだけ。
「電気の使用量を減らすこと(節電)」と「電気料金の安い電力会社に変える」ことです。
電気の使用量を減らすオススメの節電方法は以下の3つです。
- 冷蔵庫の使い方を改善
- 照明のLED化
- エアコンの効率をUP
また、電気料金の安い電力会社に変えると言っても700社以上ある電力会社から選び出すのは至難の技です。
そんな時は、電力会社の比較サイトを使うと簡単です。
国内最大の人気を誇る「エネチェンジ」は、最も代表的な比較サイトで沢山の会社やプランから比較検討ができます。
新規受付の停止をしているかどうかも、すぐ把握できるので便利です。
燃料価格の上昇は、何年も続かずに済むかもしれません。
しかし、再生可能エネルギーの利用は今後ますます増えていくことは確実で、再生可能エネルギー発電促進賦課金は今後も長きに渡り上がり続けていきます。
何もしないと、この先家計を圧迫し続けることになってしまいます。
地球にもお財布にも優しい、節電と電力会社の見直しを始めてみませんか?
では、また!
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