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「入院費用が払えない」と心配な方に3つの強い味方+α【切迫早産で入院した妻の体験談あり】

▷入院した時の費用や生活費が心配な人

▷高額な治療費が心配な人

▷手厚い医療保険(入院保険)に加入している人

※この記事は2021年5月に執筆したものです。
zucca
入院費用や治療費の心配したことってありませんか?
節美さん
もちろん、ありますよ。
zucca
できれば、病院とは無縁で過ごしたいですけど、そうもいかないですよね?
節美さん
そうですねー
女性は特に出産とかもありますからね。
zucca
それに、老後の医療費も心配ですよね?
人生100年時代の中、年金が減らされてますからね。

 

節美さん
確かにお先真っ暗ですね!
zucca
真っ暗だと思っている節美さんに、今回知っていると心強い公的な3つの制度をご紹介しますね!

>>>(関連記事)生命保険の見直しするなら、加入している社会保険を知ることが超重要!

「入院費用が払えない」と心配の方に3つの強い味方

高額療養費制度

高額療養費制度とは、 公的医療保険の制度の1つ。

医療機関や薬局の窓口で支払った額が1ヵ月間で、ある一定額=上限額を超えた場合に、その超えた金額分が支給される制度。

《ポイント》
①健康保険、 国民健康保険加入者どちらにも受給資格がある。

② 上限額は年齢や所得によって決まる→(ア)参照。

③ 1年以内に給付される月が3回以上あった場合、4回目以降は自己負担額がさらに軽減される→(イ)参照。

④上限額は世帯合算できる(同じ健康保険加入者のみ)。

⑤食費や差額ベッド代は対象にならない。

 

(ア)上限額
年齢および所得金額によって異なります。

今回は69歳以下の方をご紹介します。

所得金額によって5つのグループに分かれます。

年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費※-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
167,400円+(医療費※-558,000)×1%
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
80,100円+(医療費※-267,000)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者35,400円

※ここでの医療費は、窓口の負担金額ではなく、健康保険適用前(10割負担)の金額です

(例)年収約370~約770万円で1ヶ月合計で15万円負担した場合

医療費▷15万円÷0.3=50万円
80,100円+(500,000円-267,000円)✕0.01=82,430円が上限
→82,430円を超えた部分は全額戻ってきます。
つまり、67,570円が返ってきます。


(イ)4回目以降は自己負担金額がさらに軽減される

こちらも年齢と所得によって変わります。以下の表は69歳以下の場合です。

年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
140,100円
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
93,000円
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
44,400円
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
44,400円
住民税非課税者24,600円

(例)年収約370~約770万円で4ヶ月入院し、4ヶ月目の入院費用を15万円負担した場合

上限額は44,000円なので
150,000円-44,000円=106,000円が返ってきます。

 

申請方法

ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合)に、支給申請書を提出する。

まずは、ご自身の健康保険証をご覧になって、相談してみましょう!

限度額適用認定証

限度額適用認定証とは、ひと月の医療費の支払いを上限額で済ませることのできる証明書。

通常、1ヶ月の医療費が高額なものになった場合は、高額療養費制度であとから返ってきます。

しかし、一時的にとはいえ(3ヶ月以上)、立て替えになってしまうので負担になってしまいます。それを避けるための制度で初めから上限額だけの支払いにすることができます。

《ポイント》
①対象者はひと月の医療費が、上限額を超えると見込まれる方。

②上限額は、高額療養費制度の金額である。

③使用する際は、保険証と一緒に医療機関の窓口に提示する。

④食事代や差額ベッド代などは、高額療養費制度と同様で対象外。

 

申請方法

ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合)に申請。

まずは、相談してみましょう。

傷病手当金

傷病手当金とは、病気やまたは怪我で業務に就くことができない場合、休業中の生活保障として一日につき賃金(標準報酬月額)の3分の2が支給される公的制度。

資金期間は最長1年半。

標準報酬月額についてはコチラをご覧ください。

《ポイント》
① 健康保険、各種共済加入者に受給資格がある。国民健康保険加入者は受給資格がない。

②標準報酬月額は、手取りではなく額面の金額(総支給額)。

業務外の病気やケガで就労不能と判断された場合に支給される。

④休業期間が3日間を超える場合に4日目から支給される。最初の3日間は支給されない(待機期間)。

⑤休業期間中に手当金以上の報酬を得た場合は支給されない。傷病手当金未満の報酬を得た場合は支給調整が行われる。

⑥労災保険、公務災害の補償が適用される場合、介護保険の適用により傷病手当に相当する支給がなされた場合には支給されない。

⑦2年で時効になってしまう。

⑧非課税。所得ではないので、確定申告は不要。

⑨産休・育休中でも使える

 

申請方法
高額療養費制度同様、ご自身が加入している健康保険組合に傷病手当金支給申請書を提出する。

まずは、加入している健康保険組合に相談しましょう!

高額療養費制度は、メジャーな制度だと思いますが、この制度はあまり知られていないと思います。

申請しないと2年で時効になってしまいますので、忘れずに申請しましょう!

体験談

妻が2人目の子供を出産する際、切迫早産で5ヶ月間入院しました。

僕が実質的に支払った合計金額って、いくらぐらいだと思われますか??

0円です。

今回上記でお伝えした「高額療養費」「限度額適用認定証」「傷病手当金」をフル活用して、実質支払いは0円です。

支出

【入院費用】
高額療養費と限度額適用認定証を併用して
5ヶ月の入院費用は、
57,600×3ヶ月=172,800円
44,400円×2ヶ月=88,800円
5ヶ月合計=261,600円

【食費】
全国一律で1食460円
1日→460円×3=1,380円
5ヶ月(153日)→1,380円×153=211,140円

合計472,740円

 

傷病手当金
約140,000円×5=約700,000円
約700,000円の収入に対して、472,740円の支出です。
なお、年子の出産で育休→産休のため社会保険料は免除でした。

通常傷病手当金の受給中は社会保険料の支払いが必要になります。

その他お役立ち情報

その他、医療費に関して役立つ情報を4つご紹介します。

 

医療費控除

1年間に支払った医療費の合計金額が10万円を超える場合、所得が控除され、納めた税金の一部が戻ってくる制度。

《ポイント》

①控除の対象になるのは10万円を超えた部分

②対象になるのは、治療費や薬代の他、病院までの交通費やドラッグストアで購入した市販薬なども。

③確定申告が必要。

④生計を同一にする家族の分が対象。同居の必要はない(一人暮らしをする大学生など)。

⑤生命保険の入院給付金や高額療養費、出産一時金などは差し引かれる。

 

地方自治体の助成金

都道府県や市区町村で実施している医療費助成金です。

子ども医療費を始め、以下のようなものが見られました。

不妊治療費
人工透析
禁煙外来治療費費
妊娠高血圧症候群
誕生準備手当
助成金は各自治体によって様々ですので、ホームページなどで確認してみてください。

 

自治体の無料検診や補助

自治体が運用する制度で、健康診断が無料で受けられたり、検査の補助を受けられたりします。

がん検診、メタボ検診、人間ドックの補助など、地方自治体によって様々ですので、ホームページなどで確認してみてください。

特に、フリーランスや自営業、専業主婦の方は、積極的に利用したいですね!

健康保険組合の助成金や補助金

健康保険組合によっては、ひと月の医療費の上限が高額療養費制度より低くなったり、インフルエンザの予防接種で補助が出たり、独自の制度を持っていることもあります。健康保険組合のホームページなどで確認してみてください。

 

まとめ

入院した時の費用や生活費などは確かに心配ですが、3つの公的制度+αはいかがでしたでしょうか。

過度に心配したり、必要以上に手厚い医療保険(入院保険)に加入する必要は、ありそうですか?

価値観は人それぞれですが、少しは安心頂ける要素になったのではないでしょうか。

特に、会社勤めの方などが加入している健康保険で使える「傷病手当金」は、知っていると安心ですよね。

フリーランスや自営業の方は、自治体のやっている助成金を積極的に利用したいですね!

まずは、この機会にご自身が加入している健康保険や、お住まいの自治体がやっている医療費の助成金について使えるものをじっくり調べてみては、いかがでしょうか?

いざという時に、きっと力強い味方になってくれますよ。

では、また!

 

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